型染を生業としています。
《模様を見よ、多く描き早く画く時、それはいやが上にも単純に帰る。終りには描くものが何なるかをさえ忘れている。自然なこの「くずれ」は模様を決して殺していない。かかるものに、か弱き例があるであろうか、勢いに欠けた場合があるであろうか。よき省略は、結晶せられた美を現してくる。ある者はそれを粗野と呼ぶであろう。だがそれは畸形ではない。粗悪ではない。自然さがあり健康がある。疲れた粗野があろうか。ある者はこれを稚拙とも呼ぶであろう。だが稚拙は病いではない。それは新たに純一な美を添える。素朴なものはいつも愛を受ける。ある時は不器用とも云われるであろう。だが器用さにこそ多くの罪が宿る。単なる整頓は美になくてならぬ要素ではない。むしろ不規則なくば、美は停止するであろう。》「工藝の道—工藝の美一四」
型染という制約された表現を通して、柳の説いたこの道に沿うような仕事をしたいと念願しています。